国連は2018年の国連総会で、毎年6月7日を「世界食品安全の日」とすることを採択しました。昨年の第1回に引き続き、FAOとWHOの共催で、今年も第2回の「世界食品安全の日」にちなむ活動が計画されました。
FAOとWHOは「食品安全はみんなの仕事」のスローガンの下、食品安全の持続的変化のために、農場から食卓まで(farm-to-fork)の連続的な安全を保つための5つの行動指針、①食品の安全を確実に、②安全な農業、③加工と輸送の安全、④安全に食べる、⑤安全のための連携、を提唱しました。
そして「世界食品安全の日」にちなんだ、イベントやレクリエーション、スポーツ活動等を実施し、若い世代を引き込むとともに、メディアを巻き込み「世界食品安全の日」のメッセージの拡散する様、世界各地に呼びかけました。
しかし今年は残念ながら、世界的な新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)により、大規模なイベントの実施が不可能となりました。そこでFAOとWHOは各地でバーチャル・イベントの開催を呼びかけ、世界各地で種々の活動が行われましたので、その一部を紹介します。
欧州食品安全局(EFSA)は6月8日、食品安全に関するツイッターQ&Aを開催しました。質問には、EFSAの事務局長ベルンハルド・ウール氏と、コーデックス書記のトム・ハイランド氏がオンラインでライブ回答しました。
FAO北米支局は6月14日、「新型コロナウイルス時代とそれ以降の食品安全」と題したオンラインセミナー(ウェビナー)を主催しました。食品安全に関する多くの専門家が講演やパネリストとして参加しましたが、その中にはWHO事務局長補の山本尚子氏も含まれています。
一方アジア太平洋地域では、OIE(国際獣疫事務局)、WFP(国連世界食糧計画)も共催に加わり6月5日、「新たな標準における食品安全」と題したウェビナーを開催しました。アジア太平洋地域の国々からの専門家が、今後数年間で取り組むべき食品安全の優先課題について議論しました。
一方、消費者団体もこの「世界食品安全の日」にあわせ、多くのツイートなどを寄せています。英国の消費者団体“WHICH?”のスー・デイビス氏は、CIの「世界食品安全の日」の特集への寄稿(注1)として、英国が新型コロナウイルス対策として、国を封鎖した時の食料不足について述べ、特に経済的困難に直面している脆弱な人々にとって、必要な食料を手に入れることができるように、政府と食品セクターのさまざまな部分の間でより効果的な調整を確実にしたい、と述べています。
(じゃこネット理事 南澤 陽一)
南澤理事のコメント〜 今年の「世界食品安全の日」は、新型コロナウイルスのパンデミックにより、予定していた活動がでなかったことは残念でした。しかし、このパンデミック下、またそれ以降に、食品安全に関して実施すべき課題を、ウェビナーなど新たな手法で議論することが出来、歴史の転換点に立った有意義な活動ができたと思います。(文責:南澤)
注:
1. https://www.consumersinternational.org/news-resources/blog/posts/world-food-safety-day-2020-food-trade-and-future-uk-food-policy/
FAOとWHOは「食品安全はみんなの仕事」のスローガンの下、食品安全の持続的変化のために、農場から食卓まで(farm-to-fork)の連続的な安全を保つための5つの行動指針、①食品の安全を確実に、②安全な農業、③加工と輸送の安全、④安全に食べる、⑤安全のための連携、を提唱しました。
そして「世界食品安全の日」にちなんだ、イベントやレクリエーション、スポーツ活動等を実施し、若い世代を引き込むとともに、メディアを巻き込み「世界食品安全の日」のメッセージの拡散する様、世界各地に呼びかけました。
しかし今年は残念ながら、世界的な新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)により、大規模なイベントの実施が不可能となりました。そこでFAOとWHOは各地でバーチャル・イベントの開催を呼びかけ、世界各地で種々の活動が行われましたので、その一部を紹介します。
欧州食品安全局(EFSA)は6月8日、食品安全に関するツイッターQ&Aを開催しました。質問には、EFSAの事務局長ベルンハルド・ウール氏と、コーデックス書記のトム・ハイランド氏がオンラインでライブ回答しました。
FAO北米支局は6月14日、「新型コロナウイルス時代とそれ以降の食品安全」と題したオンラインセミナー(ウェビナー)を主催しました。食品安全に関する多くの専門家が講演やパネリストとして参加しましたが、その中にはWHO事務局長補の山本尚子氏も含まれています。
一方アジア太平洋地域では、OIE(国際獣疫事務局)、WFP(国連世界食糧計画)も共催に加わり6月5日、「新たな標準における食品安全」と題したウェビナーを開催しました。アジア太平洋地域の国々からの専門家が、今後数年間で取り組むべき食品安全の優先課題について議論しました。
一方、消費者団体もこの「世界食品安全の日」にあわせ、多くのツイートなどを寄せています。英国の消費者団体“WHICH?”のスー・デイビス氏は、CIの「世界食品安全の日」の特集への寄稿(注1)として、英国が新型コロナウイルス対策として、国を封鎖した時の食料不足について述べ、特に経済的困難に直面している脆弱な人々にとって、必要な食料を手に入れることができるように、政府と食品セクターのさまざまな部分の間でより効果的な調整を確実にしたい、と述べています。
(じゃこネット理事 南澤 陽一)
南澤理事のコメント〜 今年の「世界食品安全の日」は、新型コロナウイルスのパンデミックにより、予定していた活動がでなかったことは残念でした。しかし、このパンデミック下、またそれ以降に、食品安全に関して実施すべき課題を、ウェビナーなど新たな手法で議論することが出来、歴史の転換点に立った有意義な活動ができたと思います。(文責:南澤)
注:
1. https://www.consumersinternational.org/news-resources/blog/posts/world-food-safety-day-2020-food-trade-and-future-uk-food-policy/