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消費者相談の現場から~               SNS広告が招く若者の消費者トラブル

9/26/2021

 
COVID-19により、若者の日常生活のデジタル化は加速し、変化した生活スタイルが定着し始める中、2022年4月施行の民法改正による成年年齢引下げに伴う若者への消費者教育や、消費者の利益保護確保への対応が懸念される。
2021年4月に国民生活センターの報道発表(*注)によると、消費生活センターに寄せられる20歳代前半に多くみられる相談の多くは、内職・副業の儲け話やエステティックサービス、ダイエットサプリメントなどの美容関連のトラブルで、平均契約金額41.7万円に上っているが、新たに成年となる18、19歳のトラブルにおける現在の平均契約金額15.8万円が、成年年齢引き下げによる金額の増加が必至であり、未成年者取り消し権の行使ができず、救済が困難になることが予想される。
 
20歳直前の世代の消費行動は、ネット通販が主体で、SNS情報をきっかけに閉鎖的な情報空間に誘導され、安易な気持ちで契約を結ぶ。インターネット広告費は増加傾向にあり、アドテクノロジーを駆使したターゲティング広告により、ますます接触機会も増えるであろう。この度、デジタルプラットフォームの透明性及び消費者保護に関する法律が各省庁から出され、同時に特商法(通信販売規定)の改正も公布され、2022年6月迄に施行されるが、若者の消費行動のきっかけになるSNSサービスを通じた契約の抑止力にはならない。ネットおよびSNS広告を通じた契約において、個人情報保護及び広告内容の適正化と、抑止力を伴う消費者保護制度を期待したい。
そして、自治体はDX(デジタルトランスフォーメーション)活用等による若者に届く情報提供を行い、消費者トラブル未然防止の啓発を早急に進める推進力が求められよう。

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(*注) 狙われる!?18歳・19歳「金(かね)」と「美(び)」の消費者トラブルに気をつけて!(発表情報)_国民生活センター (kokusen.go.jp)
 
                                      (消費生活専門相談員 伊藤 久美子)

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