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日本のエネルギーシステム改革が進行中

2/6/2019

 
~2016年4月電力小売り全面自由化、2017年4月都市ガス小売り自由化へ〜

日本では2011年3月11日東日本大震災後の原子力発電所の停止による電力不足を契機に、これまで地域独占で供給・販売されてきた「電力・ガスの小売自由化」という、大規模な「エネルギーシステム改革」が進行しています。
日本国内の電力自由化は2000年から、また都市ガスの自由化は1995年から、大口の企業ユーザーを対象に始まり、幾つかの段階を経て進んできましたが、まず2016年4月、全国10電力会社が地域ごとに独占してきた家庭の電力小売りが全面的に自由化されました。それに先立つ2015年4月、電気の過不足チェックや送電線使用ルールの整備により電力需給機能を強化する「電力広域的運営推進機関」(http://www.occto.or.jp/en/index.html)、また同9月に不公平な取引監視や消費者保護を担う「電力取引監視等委員会」が発足しました。

改革の最終段階として2020年までに電力会社の発電部門と送配電部門を切り離す「発送電分離」が実施されます(東京電力管内では2015年4月分離・分社化済み)。小売事業への新規参入 (2017年1月末現在:電力会社切替え件数は約257万件/全国契約者数の4%余) が進展すると、消費者が価格・発電方法等を比較して購入先・料金メニューを選べる選択肢の多様化、事業者間の電源差別化による再生可能エネルギー(自然エネルギー)の導入拡大、電気料金の抑制等が期待される一方で、2017年4月都市ガス販売も自由化され、業界・地域の垣根を越えた競争が進展すると、海外での自由化の先行事例のように、様々な消費者トラブルの発生も予想されます。
 
今春からの都市ガス自由化に先立ち、上記の監視等委員会は「電力・ガス取引監視等委員会」(http://www.emsc.meti.go.jp/english/)に名称変更、改組されました。消費者と事業者との契約トラブルや悪質業者による便乗商法や詐欺行為を防止・対応するため、消費者保護を担う政府機関「国民生活センター」(http://www.kokusen.go.jp:e-hello/news/data/n-20160401_1.html)と連携協定を結びました。前述の広域機関・監視委員会の体制の充実、電力供給力の確保、営業ルールの整備、電力融通の活発化等、諸々の対策、課題への対応が求められます。

参考:
*制度改革について、こちら
http://www.enecho.meti.go.jp/en/category/electricity_and_gas/electric/electricity_liberalization/
**実施スケジュールについては「エネルギー白書2016年度版」中の図(第113-2-5)を参照ください(http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2016html/1-1-3.html)。

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