Consumer Reports(以下、CR)編集長のテラドさんが、2022年5月号のコラムに「PFAS(ピーファス:パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質の略)」について書いています。内容を要約すると「今年は、無謀な農薬使用の危険性を警告したレイチェル・カーソン「沈黙の春」が出版されて60周年を迎えます。それが引き起こした国民の抗議は、連邦法の制定につながり、環境保護庁が設立されました。60年後の今、PFASという次の沈黙の脅威に対して行動を起こしましょう。私たちの生活はパンデミックの間に変化しました。私たちの多くはレストランでの食事をやめ、代わりにテイクアウトの食事を選びました。その持ち帰り容器、包装紙に危険な物質が含まれています。PFAS(PEA-fahsと発音)は、焦げ付き防止フライパンや防水ジャケット、テイクアウト容器など、無数の製品に含まれています。これらは、免疫力の低下やさまざまな種類の癌など、いくつかの深刻な健康上の問題を引き起こします。CRのテストでは、人気のチェーン店やスーパーマーケットのハンバーガーの包装、サラダボウル、ベーキングカップの中、飲料水にもPFASを含んでいる可能性が高いものがあることが確認されました」。
次いで同誌2022年6月号に、テフロン加工のフライパンにもPFASが含まれていること、極度に過熱したり、金属ヘラで過度にこすったり、食器洗い機に入れたりしないなど安全な使用方法が記載されています。さらに同誌2022年7月号は、テラッドさんがコラムで、「PFASとトラック・バスによる環境汚染の問題を、消費者主導の運動によって改善しましょう。」と提言しています。
CRは月刊誌だけでなく、ホームページでもPFAS汚染の現状と対策について記述しています。その内容を国民生活センター発行の月刊誌「国民生活」2022年6月号の海外ニュース(※1)で安藤氏が「テイクアウト食品の包材を安全に」にて発表しています。海外企業では、PFASの使用を停止する動きが進んでおり、マクドナルドは、2025年までに全ての包装・容器からPFASを全廃すると、また、アマゾンも自社ブランドの「アマゾン・キッチン」の食品製品の包装・容器でPFASの使用を禁止すると発表しています(※2)。
日本では、食品・流通企業数社にPFASの件を聞いてみると「初めて聞きました。」「業界の動向を見守ります。」「しばらく静観します。」「海外展開している企業、米国、欧州に商品を供給している会社は、注意が必要ですね。」など危機感のない反応ばかりでした。PFAS問題だけでなく、自動車業界においても、ハイブリッドでは世界をリードしているようですが、電気自動車では、遅れをとっているようです。「戦略を見直すことはない、と冷静に受け止めている。」との大手企業の回答です(※3)。
これから、海外情報・動向を真摯に受け止め、国際感覚を持った俊敏な対応をしていかないと、日本はあらゆる分野で、世界から置いていかれると痛感します。
注:
1. 海外ニュース(2022年6月号)https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202206_08.pdf
2. バイデン米政権、有機フッ素化合物PFASの規制を強化へ(米国) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース (2021年10月21日掲載) https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/10/db4be4c8fdbec652.html
3. 読売新聞オンライン(2022年8月26日掲載)https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220826-OYT1T50151/2/
髙木秀敏 (消費者ネットジャパン正会員)
次いで同誌2022年6月号に、テフロン加工のフライパンにもPFASが含まれていること、極度に過熱したり、金属ヘラで過度にこすったり、食器洗い機に入れたりしないなど安全な使用方法が記載されています。さらに同誌2022年7月号は、テラッドさんがコラムで、「PFASとトラック・バスによる環境汚染の問題を、消費者主導の運動によって改善しましょう。」と提言しています。
CRは月刊誌だけでなく、ホームページでもPFAS汚染の現状と対策について記述しています。その内容を国民生活センター発行の月刊誌「国民生活」2022年6月号の海外ニュース(※1)で安藤氏が「テイクアウト食品の包材を安全に」にて発表しています。海外企業では、PFASの使用を停止する動きが進んでおり、マクドナルドは、2025年までに全ての包装・容器からPFASを全廃すると、また、アマゾンも自社ブランドの「アマゾン・キッチン」の食品製品の包装・容器でPFASの使用を禁止すると発表しています(※2)。
日本では、食品・流通企業数社にPFASの件を聞いてみると「初めて聞きました。」「業界の動向を見守ります。」「しばらく静観します。」「海外展開している企業、米国、欧州に商品を供給している会社は、注意が必要ですね。」など危機感のない反応ばかりでした。PFAS問題だけでなく、自動車業界においても、ハイブリッドでは世界をリードしているようですが、電気自動車では、遅れをとっているようです。「戦略を見直すことはない、と冷静に受け止めている。」との大手企業の回答です(※3)。
これから、海外情報・動向を真摯に受け止め、国際感覚を持った俊敏な対応をしていかないと、日本はあらゆる分野で、世界から置いていかれると痛感します。
注:
1. 海外ニュース(2022年6月号)https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202206_08.pdf
2. バイデン米政権、有機フッ素化合物PFASの規制を強化へ(米国) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース (2021年10月21日掲載) https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/10/db4be4c8fdbec652.html
3. 読売新聞オンライン(2022年8月26日掲載)https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220826-OYT1T50151/2/
髙木秀敏 (消費者ネットジャパン正会員)